残念ながらお金を用意することができませんでした

カメラやらアイマスやら電波やら電気電子やらいろいろと書いていくやつ

航空無線通信士を受けた話

卒業できるっぽい.

 2019年2月期の航空無線通信士の試験を受けてきたので前回同様レッポヨを書いておく.

 ↓前回の奴

andrew.hatenablog.com




航空無線通信士 is 何

 新しく操作できるようになる(=一陸技,一アマの操作範囲と重複しない範囲)のは,

航空機に施設する無線設備並びに航空局,航空地球局及び航空機のための無線航行局の無線設備の通信操作(モールス符号による通信操作を除く.)

 つまり,航空機に関連する局のモールスを除く通信操作が行えるようになる.これを持っておいて役に立つ機会は今のところない(航空管制官にもパイロットにもなるつもりがないため).




試験科目

 いつものごとく航空無線通信士 - Wikipediaから引用.

無線工学

  1. 無線設備の理論、構造及び機能の基礎
  2. 空中線系等の理論、構造及び機能の基礎
  3. 無線設備及び空中線系の保守及び運用の基礎

法規

  1. 電波法及びこれに基づく命令(航空法及び電気通信事業法並びにこれらに基づく命令の関係規定を含む。)の概要
  2. 国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約、国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則、国際電気通信連合憲章に規定する電気通信規則及び国際民間航空条約(電波に関する規定に限る。)の概要

英語

  1. 文書を適当に理解するために必要な英文和訳
  2. 文書により適当に意思を表明するために必要な和文英訳
  3. 口頭により適当に意思を表明するに足りる英会話
    • ATC英語(航空英語)ではなく航空に関する一般的な英文。難易度は英語検定準2級程度とされる

電気通信術

  1. 電話 1分間50字の速度の欧文(無線局運用規則別表第5号の欧文通話表による。)による約2分間の送話及び受話
    • 無線通信の実技試験ではなく、ATC英語は試験対象に含まれない。

 ただし,こちらには一陸技とか言う工学系科目全免除という切り札があるため,実際に受けたのは法規,英語,電気通信術のみとなった.

 法規はA問題14問B問題6問の計20問.100点満点の7割,70点で合格,英語は英文和訳(A問題)が9問,和文英訳(B問題)が3問(1問中に小問題が5問),英会話(リスニング)が7問の計19問.105点満点中60点で合格,電気通信術は送話/受話共に100点満点中80点で合格となる.

 英語では,英会話(リスニング)が3問取れていなかった場合は足切りとなるので要注意である.




試験当日

 今回も1日の試験で休日実施,しかも業務向け資格であったので受験者も大変多かった.

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Fig.1 いつものアレ

 また,受験者層も「航大生です」感がある人が多く,「空自です」感のある人もいた.

 11時10分から法規,13時半から英語,15時40分から電気通信術だった.法規はそんなに捻った問題は出ていなかったように感じる.しいて言うなら主任無線従事者は過去問にあまり出ていなかった気がするが,一陸技で勉強していたので特に問題なかった.

 一方,英語が最高に厳しかった.初めに英会話(リスニング)があったが,ここで死亡してしまった.今まで「リスニング」といえば問題文の中に答えとなるものが言及されており,それから答えが導ける問題であった.

 しかしながら,実際に出題された問題は以下のような感じであった.

Q.航空機が高速で飛行した際には機体の周りに波が発生することがある.この波は何か.(意訳)

1.A light wave

2.A radio wave

3.A shock wave

4.A tidal wave

 このように全く問題文にはそれらしい語句が出てこず,完全に「問題」として出題されていた.この仕様を全く理解していなかったため,試験中に大変慌てる羽目となってしまった.

 また,卒論執筆の疲れを回復できないまま試験に臨んだため,筆記のミスも多かった.

 電気通信術の試験はミリオタにはなじみ深いフォネティックコードの受話と送話となる.受話はリスニングであり,50文字/minの2分間の速度で「アルファ エックスレイ インディア マイク オスカー」といったようにランダムな文字列が読み上げられるのを専用の受信用紙に記入していくものだった.記入は大文字小文字ブロック体筆記体すべてOKであったが,統一するように指示されたため,大文字のブロック体で記入した.

 一方送話は会場の端に数か所机と椅子が配置され,試験官と受験者が1対1で並行して行われた.申し込みがギリギリで試験番号が後ろの方であったため,多くの人の試験の様子を見ることができ,自分の番では十分落ち着いて対応することが出来た.こちらも50文字/minの2分間での送話だったが,1分半程度で終わってしまった.

 試験後はいつもの通り知人と一緒に飯を食って帰った.




勉強したこと

 今回は卒論提出2日後に試験で,完全に勉強する暇がなかったため,過去問のみを解いた.

 一応今回の勉強時間はこんな感じだ.

  • 法規:およそ10時間,平成30年8月期過去問~7期分
  • 英語:およそ10時間,平成30年8月期過去問~4期分(筆記のみ)

 「航空通ナメてんのか」ってお叱りが飛びそうな勉強時間だが,卒論だったのでゆるして.




結果

 ここでひと悶着.解答発表の時は何も言及がなかったため,自己採点では

法規:87/150 87%

英語:59/105 56.2%

 となって,英語の点数が足りずに不合格となった.その後学会があったため忙しく,航空通のことはすっぽり抜け落ちていた.

 しかし合格発表当日にこのようなお知らせが出ていたらしい(というのも合格発表は学会期間中で全く気付かず,Tiwtterのフォロワー氏に教えていただいた).

 これにより英語が合格点を超えたため,合格となった.学会から帰宅すると合格通知も届いており,本当に合格となっていた.

 いやーこういうどんでん返しもあるんですねぇ….このミスを指摘してくれた受験者の方には頭が上がらない.

 学会から帰ってきてすぐ従面申請を提出し,今回は日本無線協会に成績開示請求書を送ってみた.どちらも届いたらまた記事を書いてみる.




まとめ

 今回もクソみたいな資格取得となってしまった.運がよかったとはいえ本来は不合格となっていた試験であるため,きちんと勉強するスケジュール立てられるほど余裕がある時期に試験を受けるべきだと痛感した.




今後

 年度末となり,来年度の試験日程が公開されている.これによると三海通は9/11,12に試験があるため,とりあえずはこれを目標としてみる.

 しかし,同じく第三種電気主任技術者(電験三種)の試験が9/1にあり,これまた大変厳しいスケジュールとなってしまう.今のところはどちらも取るつもりではいるが,今回のようなクソみたいな結果になりそうなので考えものである.

 また,第二種電気工事士も取ろうと思っていたが,こちらは割と受験料が高い上に実技もあるため,検討中である.